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目標管理と経営方針管理(8)

2016年11月 1日

10.プロセスの管理(定型と例外)

 

前々回から、経営方針管理に焦点を当てて解説しています。

前々回は正しい管理手段を採用するポイントについて、前回はプロセスが生産的になる管理方法を解説しました。

今回は、プロセスの管理対象について解説します。

プロセスの管理について、ドラッカーは次のように述べています。

 

プロセスの管理とは、平均的な能力の者が、卓越した者並みの仕事ができるようにするものである。
この原則を無視し、例外を処理しようとする管理は機能のしようがない。三%の理解しがたいもののために、理解している九七%を犠牲にすることになる。

例外はなくせない。しかし、生産のプロセスからなくすことはできる。

それぞれ例外として別個に処理することはできる。

管理においては、定型と例外の徹底した検討が不可欠である。

 

P.F.ドラッカー著 上田惇夫訳 『ドラッカー名著集14 マネジメント [上] -課題、責任、実践』(ダイヤモンド社、2008年、270頁~272頁を一部抜粋)

 

 

このように、プロセスを管理する場合は、定型と例外を明確に分けて管理することを訴えています。

では、ドラッカーは定型をどのように考えているのでしょうか?

確認していきます。

 

仕事の定型度には三つの種類がある。

 

第一に、インプットとアウトプットの双方が定型的な場合である。

第二に、多様に見えながら、パターンが定型的な場合である。

第三に、特別な状況ばかりの場合である。

 

実は、この第三の種類のパターンこそ重要である。知識労働すなわち教師、医師、その他プロフェッショナルの仕事に典型的なものだからである。プロフェッショナルとは、基本的に一人で動く者である。特別の状況を扱うものである。そのようなとき、管理は自らが定めた基準をもって行うほかない。

 

P.F.ドラッカー著 上田惇夫訳 『ドラッカー名著集14 マネジメント [上] 課題、責任、実践』(ダイヤモンド社、2008年、272頁~274頁を一部抜粋)

 

 

これらの示唆から、プロセスの管理は以下のようにすればよいと考えることができます。

 

1.定型と例外の判別

2.定型は、適切な管理手段の組み込み

3.例外は、そのプロセスの特別の度合い(プロフェッショナル度)に適合した者に委任

 

これらの考え方は、「JIS Q 9001:2015 8.5.1 製造及びサービス提供の管理」の要求事項の一部となっています。

解説します。

 

8.5.1 製造及びサービス提供の管理(Control of production and service provision)

組織は,製造及びサービス提供を,管理された状態で実行しなければならない.

管理された状態には,次の事項のうち,該当するものについては,必ず,含めなければならない.

a) 次の事項を定めた文書化した情報を利用できるようにする.
 1) 製造する製品,提供するサービス,又は実施する活動の特性.
 2) 達成すべき結果
b) 監視及び測定のための適切な資源を利用できるようにし,かつ,使用する.
c) プロセス又はアウトプットの管理基準,並びに製品及びサービスの合否判定基準を満たしていることを検証するために,適切な段階で監視及び測定活動を実施する.
d) プロセスの運用のための適切なインフラストラクチャ及び環境を使用する.
e) 必要な適格性を含め,力量を備えた人々を任命する.
f) 製造及びサービス提供のプロセスで結果として生じるアウトプットを,それ以降の監視又は測定で検証することが不可能な場合には,製造及びサービス提供に関するプロセスの,計画した結果を達成する能力について,妥当性確認を行い,定期的に妥当性を再確認する.
g) ヒューマンエラーを防止するための処置を実施する.
h) リリース,顧客への引渡し及び引渡し後の活動を実施する.

 

日本規格協会編『対訳 ISO9001:2015(JIS Q 9001:2015) 品質マネジメントの国際規格 ポケット版』(日本規格協会、2016年、131,133頁)

 

 

ドラッカーが特に言及している「例外的な特別な状況はプロフェッショナルに任せよ」という主張は、8.5.1 製造及びサービス提供の管理の「e) 必要な適格性を含め,力量を備えた人々を任命する.」に該当します。

 

ドラッカーのいう「プロフェッショナル」は、ISO9001:2015(JIS Q 9001:2015)の用語では「力量を備えた人」ということが分かります。

 

 

力量については以前にご紹介しましたが、ISO9001:2015(JIS Q 9001:2015)での要求事項を再掲しておきます。

 

7.2 力量(Competence)

組織は,次の事項を行わなければならない.

a) 品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性に影響を与える業務をその管理下で行う人(又は人々)に必要な力量を明確にする.
b) 適切な教育,訓練又は経験に基づいて,それらの人々が力量を備えていることを確実にする.
c) 該当する場合には,必ず,必要な力量を身に付けるための処置をとり,とった処置の有効性を評価する.
d) 力量の証拠として,適切な文書化した情報を保持する.

 

注記 適用される処置には,例えば,現在雇用している人々に対する,教育訓練の提供,指導の実施,配置転換の実施などがあり,また,力量を備えた人々の雇用,そうした人々との契約締結などもあり得る.

 

日本規格協会編『対訳 ISO9001:2015(JIS Q 9001:2015) 品質マネジメントの国際規格 ポケット版』(日本規格協会、2016年、95,97頁)

 

 

引き続き、11.経営方針管理の実行を読み進める。

 

 

 

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上記の考えに基づき、経営方針管理の仕組みを御社流に設計するのが、経営方針管理コンサルティングプログラムになります。

 

 

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