5分でわかる解説シリーズ

人材育成の考え方

人材育成とは社員が新たな役割を担えるように、知識を覚えさせた後に実務を割り当ててスキルを習得させ、十分な経験を積ませることで力量をつけさせることです。教育とは異なるため研修だけでは不十分であり、実務を通してスキルを保有させて力量とし、成長させていくことが人材育成の最大のポイントとなります。

組織の視点:効果的な人材育成のために会社の人材育成体系を構築する

人材育成は社員が新たな役割を担えるようにする継続的活動です。

活動は大きく2つに分かれ、1つは新たな知識を習得させることであり、もう1つは実務を遂行するスキルを保有させることです。

実務を遂行するためには、ベースとなる知識と遂行するためのスキルが必要となるためです。

そして、その実務を知識とスキルを活用して継続的に遂行することで、どのような場面でも上手に知識とスキルを適用させることができるようになると、これを「力量がある状態」ということができます。いわゆる"一人前"と言われる状態です。

この力量がある状態(一人前の状態)が継続すれば育成成功となり、次のステップとして、より高い難易度の実務がアサインされ、社員の能力の限界まで(あるいは社員本人が成長をあきらめるまで)育成を継続することになります。

人材育成・力量向上

当社では数多くの企業で人材育成の状況を見てきましたが、人材育成が進まない企業は、知識を習得するための研修プログラム(階層別研修プログラムなど)はあるものの、実務を通してスキルを保有させる仕組みがない場合が多いです。

例えば、係長を育成して課長に昇格させたいという場面を考えたとき、知識面はマネジメントとリーダーシップの概念や行動内容について研修プログラムで教育を行います。そして実務面は、課長が行っているマネジメントの一部を代行させて、初級マネジメントを実践し、知識面と実務面の両方を習得させなければならないのです。

しかし、現実の問題として係長は十分な量の実務を抱えているために、課長の仕事を一部代行させる余裕がない、あるいは課長が人材育成に消極的で代行させようとしない場合など、実務面のスキルを保有できないことが多いのです。

そこで会社の仕組みとして必要となるのが人材育成体系です。

人材育成体系があれば、このような問題を現場任せではなく、会社の仕組みとして動かすことができます。

例えば、係長の業務分担範囲の変更を行うことや、強制的に一部代行させるよう課長の上司である部長が育成のマネジメントを行うことなどが考えられます。

一人ひとりの社員をいつまでに、どのレベルにまで育成したいのか、という組織の要請に基づいた人材育成計画を策定し、会社の仕組みとして実行していくのです。

ここでいう組織の要請とは、階層別の人員計画を指しています。

3年後、6年後、9年後を見据えて部長クラス、課長クラス、係長クラスが何人必要となるのか、それに対して現在の社員構成と分布はどうなっているか等を検証し、計画化していくことが必要です。

マネジャー(管理者)の視点:社員の成長に寄与する役割分担を実施する

上記「組織の視点」で示した仕組みが会社にない場合は、マネジャー(管理者)が自身の裁量で管掌組織(以下ではチームと表現)に所属する社員の人材育成を進めることになります。

考え方の根幹は、

1.チームの年度方針から導きだされた、新規テーマ(施策)

2.チームの年度方針から導きだされた、前年度からの継続テーマ(施策)

3.組織運営業務

4.ルーティン業務

を一覧化し、等級要件と担当業務の整合性、社員の経験値、現等級の滞留年数、今後2年以内の昇格可能性などを勘案して、社員の成長に寄与する役割分担をさせることです。

この時、社員一人ひとりのキャリアの志望を確認しておいてアサインできれば、さらに良いでしょう。

※キャリアの志望は、評価面談や月次の1on1で確認しておいてください

なお、1~4のテーマ(施策)や業務を因数分解した場合に、現等級よりも難易度が高いテーマ(施策)や業務が多くなり、所属する社員の等級と合致しない場合もありますが、そのような場合は、より一歩落とし込んで、難易度を下げて役割分担させるようにしてください。

人材育成体系の詳細は 人材育成体系の考え方 をご覧ください。

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