SMCコラム

営業力強化の考え方と人事評価7(営業プロセス/管理プロセス)

8.営業管理プロセス

【営業プロセス5】営業員全体の活動を管理し、会社対顧客の関係を構築する「営業管理プロセス」

営業管理プロセスの目的は、営業員の行動管理ではありません。
御社が顧客との関係を強化し、「会社(顧客)」と「会社(御社)」間における強い結びつきを構築することにあります。
営業管理には「顧客情報管理」「営業シナリオ管理」「案件管理」「実績管理」の4種類のカテゴリーがあります(図表7)。

図表7.営業管理のカテゴリー

4.実績管理

実績(結果)を管理する

3.案件管理

受注成約率の最大化のために営業活動を管理する

2.営業シナリオ管理

営業シナリオ実現のための情報や活動を管理する

1.顧客情報管理

営業活動の基盤となる顧客情報を管理する

上の段階の管理を適切に行うには、下の段階の管理がしっかり行われている必要があります。例えば、適切に実績管理(4)するためには、案件管理(3)が確実に行われていなければなりません。

1.顧客情報管理
顧客の静的情報、動的情報、人的情報を会社として一元管理します。
静的情報とは、会社名、所在地、代表電話番号、代表者、取引銀行、取引条件などの、一度収集すれば数年間は変化しない情報です。
動的情報とは、顧客の売上、利益、商品、方針、組織、意思決定機構などの変化する情報です。少なくとも1年に1回程度、継続的に情報収集する必要があります。
人的情報とは、キーパーソンや担当者の氏名(フルネーム)、役職、生年月日、家族構成、自宅住所、趣味、性格などの「人」に関する情報です。
※これらの情報には個人情報が含まれますので、データベース管理をしてアクセス権限を設定することになります。営業管理ソフトやエクセルなどのツールを活用すると便利です。

2.営業シナリオ管理
顧客別営業シナリオの実現に向けて、取組計画、接点計画、訪問計画、提案計画などを管理します。
なおここでの「計画」には営業員のみならず、経営者をはじめとして営業機能に携わる全員分の「計画」を含みます。

3.案件管理
営業シナリオ管理で設定した計画にもとづく案件全体の管理です。引合進捗状況、商談進捗状況、受注成約率、業務進捗状況などを、受注成約率の最大化に向けて適切に管理します。

4.実績管理
売上・利益計画とその結果の管理です。結果として出た数字のみにとらわれず、「営業シナリオの達成率」の視点を持って管理します。

営業マネジャー(営業管理職)は、本来2~4の営業シナリオ管理、案件管理、実績管理を実行すべき立場です。
しかしながら、多くの企業でマネジャーが4の「実績管理」にしか携わらず、実績未達成の場合には精神論での叱咤激励をしている現状があります。
このように営業シナリオ管理、案件管理をしない状態は「マネジメント」といえません。

上記の4種の営業管理をすべて実行してこそ、営業組織として最大の成果を挙げることが可能となるのです。

当社が営業コンサルティングを実施する場合は、営業管理プロセスを標準で15の工程に分け、工程ごとに実行すべき内容を設計して営業力の強化を図っています。

最後に標準的な営業管理方法を示します。
下表8のとおり、営業シナリオ、案件、実績、活動全体カテゴリーにおける11個の要素について、年間、四半期、月間、週間に分けて管理していきます。

図表8.標準的な営業管理要素

カテゴリー

No.

管理種別

年間

四半期

月間

週間

営業シナリオ

1

取組

内容

内容

2

接点・訪問

件数

件数

件数

事前進捗

3

提案

件数

件数

件数・内容

内容

案件

4

引合(能動・受動別)

件数

件数

件数・内容

内容

5

商談

件数

件数

件数・内容

内容

6

受注成約件数(率)

件数・率

件数・率

件数・率

7

業務

件数

件数

件数

内容

実績

8

売上

金額

金額

金額

9

利益

金額

金額

金額

活動全体

10

達成率

11

時間配分

時間数

時間数

時間数

時間数

※図表7の「1.顧客情報管理」については、適切なタイミングで情報収集する必要があり、継続的に収集の機会を得るために常時管理します。
※上記の表に示した件数や達成率は、人事評価項目としても利用可能です。
※上記の件数や達成率は、営業管理ソフトやエクセルなどのツールで管理することをお勧めします。

活動全体カテゴリーのNo.10「達成率」及び、No.11「時間配分」はここで初めて登場しますので、少し解説を加えます。

■No.10「達成率」
活動全体に関する「達成率」です。No.1営業シナリオの「取組」からNo.9実績の「利益」の達成状況にウェートをかけることによって営業活動全体の達成状況を指標管理します。
営業員ごとの達成状況を把握するためにこの指標が必要です。また売上や利益という結果のみに関心が集中することを防止する効果もあります。

■No.11「時間配分」
営業組織の成果は、一人ひとりの営業員が「どれだけの時間」を「何のために」「どのように」投入したかで決まります。
営業職員一人当たりの時間は、1日8時間、月間労働日数20日、月間残業時間30時間とすると月間190時間しかありません。四半期で570時間、半期で1,140時間、年間で2,280時間です。

この2,280時間の使い方によって成果が決まりますから、営業マネジャー(営業管理職)には営業員が「何に」「どれだけ」「どのように」時間を使うかについて、適切なマネジメントを求められます。
営業シナリオの実現を重視しつつ、No.1営業シナリオ「取組」からNo.7実績「業務」について、絶対時間とそのバランスをチェックし、必要に応じて軌道修正するともに、未達成の状況が発生した場合には適切な指示を出しながらマネジメントしていきます。

(2016年3月1日公開)

(2020年2月29日更新)

【ご案内】
このような考えにもとづき、営業プロセスを御社流に設計するのが、「 営業力強化コンサルティングプログラム 」になります。

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